2020年8月1日土曜日

初めて分岐型の話を書いた話

 多分にご無沙汰しております。藤枝です。

 今回は先日カクヨムに投稿した「法悦の緑」についてです。初めて分岐型の話を書いたので、自分用の記録も兼ねて作り方などを書いておきます。文中にネタバレはありませんのでご安心ください。



起:すぐ影響を受ける奴

 きっかけはあるフリーゲームの実況プレイ動画。取り上げられていたのは探索アドベンチャーというのでしょうか、謎を解きつつ追いかけっこしつつ脱出する感じのゲームでした。ゲームの内容も面白いし、実況の方々も要素やネタの解説をしつつ(めちゃくちゃ博識!)わいわい進めていました。そして楽しく動画を見ているうちに「分岐がある話を書きたいな」と思うようになったのです。すぐ影響を受けるマン見参。テッテレー

 ぱっと脳裏に浮かんだのが9割ぐらいまで書き進めていた「法悦の緑」でした。謎あり怪奇ありって分岐型ストーリーと親和性があるのでは? な気がしたので改造開始。7月12日のことです。



承:今でもまだ呼んでいます

 といっても何から始めればいいのか分かりません。五里どころか一里未満も霧中です。

 そもそも「この分岐があってエンディングも複数種類ある」みたいなお話の呼び方も知らない状態でした。今もよく分からない……ゲームブックとは少し違うし、ゲームノベルでもないし(ゲームなしゲームノベル≒トゲアリトゲナシトゲトゲ)、マルチエンディング? なのか? とりあえず分岐型と呼んでいます。今でもまだ呼んでいます。よだかの星ですね。

 探索アドベンチャーゲームにしても自分でプレイした経験がなく、実況動画も数える程度にしか見たことがありません。

 様々な知識がノウハウがゼロの状態で「ひとまずやってみっぞ」と漕ぎだしたのでした。

 とりあえずオチを何種類かぼんやり思い浮かべてみます。もともと想定していたやつから明らかにハズレなやつまで。そんなにたくさんは思いつかないし、増やしたところで絶対に破綻するのでいくつかに抑えておきました。

 オチが決まったので、書き進めていた中に分岐にできそうな箇所をピックアップします。

 分岐にできそう
 →どのオチにつながりそうか考えながら分岐させる
 →次の分岐ポイントまで文章を切り貼りしたり書き足したり

 こんな感じで色んなルートを並行して書き進めていきました。このあたりで混乱が起きたので、図を書いてルートの管理を始めました。



転:頭爆発

 話の効率的な組み立て方も分からないままぐんぐん驀進していきます。場面ごとに番号をつけたり分岐ごとにアルファベットを振ったりして、さらに収拾がつかなくなっていきます。分岐の設定ミスで番号を振り直す羽目にもなりました。どういうことかというと、「複数ルートが一旦同じ場面に突入し、その場面の最後で共通ではなくルートごとに違う分岐を迎える」構造の部分がありまして、そこでつまずいたのです。具体的に説明するなら、

 ・1から4に行きAかBを選ぶ
 ・2から4に行きCかDを選ぶ
 ・3から4に行きE固定

 このAとC、BとDを分け忘れたせいでこんがらがった……です(伝わった気がしない)。終盤の場面まで番号を振った段階でミスが発覚すると、番号の振り直しがめちゃくちゃ面倒なことになりますね。場面10の番号を11に変えると元々の11と混ざってわけが分からないみたいになるし……これも何度かやらかしました。ほっぽってお風呂に入る夜もありました。

 全然関係ないんですが、ボディビル大会で出場者に叫ぶかけ声ってありますよね。あの中だと「そこまで絞るには眠れない夜もあっただろ!」がダントツで好きです。眠れない夜。



結:なんとか終幕

 ロジカルでクールな頭がなくたってひとまず初稿ができました。7月26日のことです。思い立ってからここまでがだいたい2週間でした。

 いつもであれば何日か熟成させてから推敲して完成なのですが、翌日読み直し、ちゃちゃっと修正して29日に投稿してしまいました。一旦止まると永遠に止まる予感がしたので勢い重視でいきました。

 カクヨムで「ゲームブック」「分岐」で検索してヒットした作品を参考にしつつ、ぽちぽちと投稿準備をします。単純に「次のエピソード」ボタンを押しても話がつながらないため、エピソードの末尾に続きのエピソードのURLを貼って誘導する方式をとりました。

 エピソードごとに文章を載せて下書き保存し、URLをコピーして他のエピソードに貼りつけていきました。地味で地道な道のりです。

 最後は各エピソードの文中のURLから「/my」を取り除く作業でした。これによってURLが下書き用から公開用のものに変わるらしいのです。ちなみに下書き段階のエピソード内にある公開用のURLをクリックすると「お探しのページは見つかりません」に飛びました。

 そしてついに全エピソードをまとめて投稿。なんとかかんとかここまでたどり着きました。公開後もなんとなく心配でリンクのチェックをしましたが、大丈夫そうです。多分。



 今回は元々ほぼ書き終えていたお話を分岐型に改造したのですが、一から書く時はまた勝手が違いそうですね。でもって本当に「書く」部分より「作る」部分が大変でした。脳みその変なところが痛くなりそうな感じ。懲りずにまた挑戦するかもしれないので、その時は今回の苦労等々を踏まえてもうちょっといい感じに作りたいと思います。

 それでは!