2022年5月31日火曜日

第三十四回文フリ東京感想

 花粉症がおさまったかなと思って薬をやめたら鼻水が出ました。藤枝です。
 今回は5/29(日)に開催された第三十四回文学フリマ東京の感想をぽちぽちと書いていきます。


●開場までのこと

 弊サークルが文フリに出店するのは6年ぶりで、イベント出店自体もそれ以降1回きりだったので、勘が鈍るどころかなくなってました。と思いましたがなくなる勘も元からありませんでした。浜松町駅での乗り換えも久々すぎて緊張しましたが見事になんとかなりました。案内の看板ってすごい。

 入場開始のタイミングは混雑するとのことだったので、11時に流通センター駅に着くのをめざして移動しました。実際に到着したのは11時ちょっと過ぎ。今回はいつもと入場ルートが違いましたが、スタッフの方々の案内もありスムーズに進めました。

 20分ぐらいかけて設営を終え、ささっとカ●リーメイトを食べました。暇を持て余すことも切羽詰まることもなくいい感じでした。とはいえ設営はパッキング時点からもっと無駄なくやれそうだなと思っています。


●設営のこと


 今回のブースです。金属製のPOPスタンドを導入しました。机のサイズや頒布物の量(≒おしながきの情報量)から、これまでのイーゼルとコルクボードでは不便になるかもと思いお迎えしました。組み立てや長さの調整もしやすくてラブリーです。運搬する際はテーブルクロスにくるみました。

 また、今までは在庫と見本を一緒に積んでいたのですが、今回は見本だけ前に出し、在庫はあみあみ台の下に置きました。反省点として、見本を大きいイーゼルに2冊置くのは安定感がありませんでした。置くだけならいいのですが、とって戻してがあると難しいですね。見本を戻してくださる時にぽてっと落っこちてしまったことがあったので……次回もこのスタイルにするなら、薄くても何か背もたれになるものを置くべきですね。

 そしてブースに陣取るブタ部隊は回を重ねるごとに人(?)員削減に遭い、今回は7匹に減少しました。次回はどこまで減るでしょう。


●頒布や本のこと

 予想以上にたくさんの方が訪ねてくださり、とっても嬉しかったです。Twitterを見てくださった方、じっくり試し読みをしてくださった方、見本をひらくことなく「これ下さい」と言ってくださった方などなど、皆さんありがとうございました! イベント自体の来場者数も過去2番目、コロナ禍になってからだと最多だそうです。すごい! そういえばなんとなくですが、13時台の途中から15時前の間に人が増えた時間帯が複数あった気がします。

 頒布物は全て1冊ずつは旅立ちました。よかったよかった。売上ダービーは新刊『歪樹のスフェン』と既刊『スピラーレ』が同着に終わりました。無配は本の購入後に「これも頂いていいですか?」と言ってくださる流れがほとんどでした。ありがたい……。

 ところでブースで座りながら痛感したのが「コンセプトがはっきりした本は手にとっていただきやすい」ということです。そう書いてあるのを読む分には幾度となく「そらそうだ」と思っていたのですが、今回身をもって感じた次第です。

 具体的に言うと、『スピラーレ』には〈滅び・風・旅の連作ファンタジー〉、『歪樹のスフェン』は〈歪んでしまった魔法をめぐる秋の温かなファンタジー〉という売り文句があり、これにぴんときた方が試し読みや購入をしてくださるパターンが少なくないのではと思います。

 それに対して『春の夜のステラビナリア』は、今まで寄稿・投稿したお話の再録集です。1冊に複数のお話が載っているのは『スピラーレ』も同じですが、1冊に通底するテーマのあるなしにおいて性質が大きく異なります。毛色のばらばらなお話をかき集めた以上、共通項を無理やり見出すのも難しいわけで、うまいことプッシュする必要があると思っています。今回は宣伝で〈バリューパック〉という言葉を使いましたが、なんかこうもっとあるだろ。
(ちなみに、共通点あるのか問題は表紙のデザインを考える時にもどーんと立ちはだかりました。)

 再録集はお話がたまり次第つくる気でいるので、宣伝の仕方とか部数とかを色々考えてやってみます(拳の絵文字)。欲を言えば、『スピラーレ』や『スフェン』を読んだ方が「この人の他の話も読みたい」と手にしてくださることがあれば素敵だなあと思ったり……それには購入の機会を増やさなければですね。出店の頻度を増やす! 通販ももうちょっといい感じに整備する!


●今後のこと

 現在文フリ東京35の出店者募集中ですね。ね。出たいです。出るからには新刊があるといいなと思っています。パワー全開なら6〜7月で30,000字ぐらいのを書いて、暑さにひいひい言いながら推敲して本にできるかもとか考えています。考えるのはタダなので。またはそれこそ再録集第2弾をつくるとか……既刊だけでも出ちゃおうかなとか……。何かしらつくるとしたら、デザインとかタイポグラフィとかを勉強したいなとも思っています。

 でもって投稿サイト「カクヨム」では、大正時代風オカルト譚『太承錦府オペラ・オクルタ』を連載しています。1章書いては載せを繰り返して現在3章めです。今回の無配に載っている「弟子」と同じ世界……かもしれません。「弟子」は比較的穏やかなムードですが、『太オペ』は奇怪でシリアス(時々トンチキ)なはずです。よければのぞいてみてください。

 それでは!

2022年5月5日木曜日

第三十四回文フリ東京お知らせ

 ワーッ!(今年最初の投稿です)
 ワワーッ!(藤枝です)

 今回はタイトルのとおりイベント参加のお知らせです。

 弊サークル「夕暮れガーネット」は、5/29(日)開催の第三十四回文学フリマ東京に出店します! イベントへの出店は3年ぶり、文フリに関しては2016年の春以来なので6年ぶりになります。6年ということは……6年です。

 ブース番号は【ク-14】です。どうやら島の真ん中みたいですね。あまりに久しぶりなので「どうやって島の内側に入るんだっけ?」ってなってます。机の下を……くぐる……?

  


 ところでブースのほぼ正面にある二重線がなんなのか今からわくわくしています。あと配置図に書き込んだハテナマークがマウスで書いたにしては上出来でにこにこしています。

 そして今回のおしながきは……



 新刊が出ます。すでに物理的に存在しています。搬入し忘れない限り、新刊は"そこ"(ブース)にある。――以下、頒布物のざっくりとした紹介と試し読みのご案内です。webカタログにもすべて登録済みなので要チェック!


①新刊『歪樹のスフェン』

文庫判 110ページ 500円
※おしながきでは106頁=本文のページ数になってます
魔法中心のファンタジー

 ★全文試し読みはこちらから。

 去年11月に開催された企画「ノベルバー」に参加したお話を加筆修正しました。魔法が歪んでしまった少年と潤うものに愛される魔法使いの、穏やかで温かなお話です。弊サークル初の非・短編集なので、じっくり読みたい方におすすめできそうです。そして今気づいたんですが『スピラーレ』とトーンが似ているかもしれません。今気づいた。

 タイトルにある「歪樹」の読み方は、webカタログでは「わいじゅ」にしましたが、「いびつぎ」でもなんの問題もないです(サムズアップ)。読み方に困ったら「歪んでるやつ」とか「スフェン」とか呼んでください。というか今回に関しては「新刊」で伝わりますね。

 あと、せっかくなのでしおりをつける予定です。まだデータ制作段階です。当日本に挟まってなかったらだめだったということなので「だめだったか……」と思ってください。 

 さて、ここから物理的な本のお話を少し。頒布物の紹介は次の青い見出しから再開します。

 今回はホープツーワンさんのお世話になりました。ゴールデンウィーク明けの納品でお願いしたのですが、日曜入稿→月曜に原稿確認終了→4月末に納品という快速ぶり。ありがとうございます!



 こんな感じに出来上がりました。表紙用紙は水彩調の素材に合わせて、画用紙のような質感のマーメイド スノーホワイトにしました。153kgはめくりやすい薄さで、扉の枠がほんのり透ける感じです。もう少し分厚くてもいいかもという気持ち。

 でもって文字部分うっす! 文字はインクなしの真っ白なので、データ制作の際に周りとの色の差を甘く見積もったということですね。印刷段階の問題では決してありませんよ。儚い印象にしたかったのでOKなのですが、背表紙と裏表紙の文字が消えかけてて笑いました。勉強になる!



 本文はこんな感じです。どちらも暗めに写っています。写真手前が新刊の『スフェン』、用紙はナチュラルという種類です。奥の既刊『スピラーレ』は淡クリームキンマリ。ナチュラルの方がくすんで飾らない色調です。触り心地はナチュラルはざらすべ、淡クリームキンマリはすべすべ。どっちもいいなあ。


②既刊『スピラーレ』

文庫判 70ページ 300円
滅び・風・旅の連作ファンタジー

 静かで澄んだ掌編5つを収録しています。西洋風の世界を違う時代の違う場所の人々がうろうろします。テーマの「滅び」がちょっと不穏ですね。

〈収録作品〉
 山間の町にやって来たヨアン。深い緑の瞳をもつリッケと出会うが……

 疫病に村を襲われ家族を失ったルーカは、“魔法使い”と呼ばれる隠者の噂を聞いた。

「晩夏の手向け」
 剣士のゾントと楽師のビノエ、兄弟が出会った過去と幻。

「星影の標」
 古に紡がれた聖なる言葉を探し、ミシュカは小さな旅に出る。

「春へゆく風」
 薬を売って旅をするメアリアと先生はサンゲルジュという町に着く。


③既刊『春の夜のステラビナリア』

文庫判 86ページ 300円
ジャンル混ぜこぜ短編集

 寄稿させていただいたり投稿サイトや無配に載せたりした8編を集めました。ジャンル混ぜこぜと言いながらファンタジーが多めです。

 〈収録作品〉
 現代。冬、先輩と私の届かない物語

「ブラチスラヴァで三時間」
 旅行記。スロヴァキアに行った時の話

 SF百合。戦うヒーローとカフェ店主の話

「遠き歌声」
 ファンタジー。風と喪失

 ファンタジー。“青百合がいたらそっと逃げるんだよ”

「カシー・ルルーとの燦たる午後」
 ファンタジー。きみは鏡の中で宝石を嚥下する

 ファンタジー。竜・靴・怒り

「ロスト」
 現代。美術館・鍵・息苦しさ


④無料配布『ひづめだより vol.4』

A5 4ページ 無料!

 見開き短編とサークル情報の載ったペーパーです。家のプリンタでコピー用紙に印刷した親しみやすいやつです。これから印刷するんですが、万一プリンタが爆発したらコンビニに駆け込んで用意します。

 今回の短編「弟子」は大正時代風のお話です。西洋風ファンタジー以外が無配に載るのはこれが初めてだったりします。まあでもなんか結局ファンタジーです:) 「本は買わないけど気になるぞ」という方も遠慮なくお持ち帰りください。



 以上、頒布物の紹介でした。体調等々に気をつけて当日に備えたいと思います。家のプリンタが爆発しないことも祈っておきます。

 【ク-14】夕暮れガーネットでお会いできるのを楽しみにしています。ツイッターも当日含めちょこちょこ更新予定なので、気が向いたらのぞいてみてください。