2023年8月17日木曜日

Word苦闘録 余白が設定値と実際とで違う編

こんにちは。藤枝です。文フリ大阪11が迫ってきましたね。

今回は趣向を変えて、今年5月発行の『キューのエレジー』制作の際に、Wordで課題にぶち当たり解決するまでの記録を書きました。解決策はどう考えても力技ですし、オンリーでもベストでもないと思うので、参考になさる場合は自己責任でお願いします。Wordに詳しい方からすれば「こいつ柴犬とマンチカンの見分けがついてないぞ」みたいな話かもしれませんし、備忘なのに後から読み返して理解できる気がしていません。一体誰向けなのか。


●問題発覚〜原因判明

今回ぶつかった問題は「設定値と出力(拡大縮小なし)とで余白が違う」です。

発覚時点での設定は以下のとおり。

 上17mm/下15mm/内側(小口)13mm/外側(のど)18mm

 複数ページ:見開きページ

※ふつうは内側がのどで外側が小口ですが、Wordの設定上ではひっくり返ってるものらしく、内側が小口側、外側がのど側です。

冊子の校正が大詰めを迎えた頃、「今回はページ数が増えたからのど側の余白を前より広くしたんだよね〜」と思いながら、実際に出力して余白を測ってみました。さらに、実は前回つくった冊子を見ている時に「なんか奇数ページと偶数ページとでのど側の余白が違うような…?」と思ってはいたんです。その時点で手を打て。

測定結果は…

 奇数ページ:上17mm/下15mm/内側(小口)18mm外側(のど)18mm

 →内側が設定より5mm広い

 偶数ページ:上17mm/下15mm/内側(小口)13mm/外側(のど)23mm

 →外側が設定より5mm広い

?????

紙をためつすがめつするプ●さん状態です。小口側まで違いました。なぜ設定値と違うのか。なぜ奇数ページと偶数ページでバラバラなのか。どこから来たんだこの5mmは。もっと言うと最初は「どうして奇数ページの内側と外側の余白が同じなんだ」みたいな引っかかり方をしてましたが、それは偶然の一致だったようです。

まずはひたすらネットに頼りました。「Word 余白 おかしい」「Word 余白 ずれ 原因」…しかしドンピシャの答えはなく、ネットの海でぷかぷか浮きながら途方に暮れます。ちなみに自分はカナヅチなので浮かんでいられる自信がありません。

そしてWordの画面をながめている時に気づきました。なんか最後の行と余白の間にさらに隙間がある。



画像は奇数ページですが、偶数ページも同じでした。トンボ(四隅に散った怒りマークみたいなやつ)が余白と版面を示してるんですが、最初の行は余白にぴったりくっついてる一方、最後の行「エントランスは〜」と余白の間にはなぜか隙間がありますよね。なぜか。再びのシンキングタイム(sinkではなくthinkです)の後に思い当たるものがありました。もしかして行間を詰めたから? 試しに行間を広げると、まあ当たり前ながら最後の行と余白との距離は縮まりました。これが原因だ! ここをなんとかすればなんとかなる。


●Wordゴリラ

ところが、行間を広げると間延びしてかっこよろしくない気がします。ページ数も増えるしページの変わり目もずれて、芋づる式に調整ポイントが発生します。校正が大詰めの段階で大々的に何かを変更するのはあまりにリスキーです。

変更するにしたって、単純に内側/外側を何mm調整すればOKという話ではありません。奇数ページに合わせれば偶数ページがずれます。奇数と偶数で別々に設定する方法があるかもしれませんが、Wordの画面をぱっと見た限りはなさそうだし、VBA的な複雑怪奇なやつに行き着く気がします。

唸っているところに力技大好きゴリラがやって来ました。校了になったデータを奇数用と偶数用で2個用意→それぞれ余白を調整→PDF化→偶数用から奇数ページを削除(とその逆)→順番どおりに縫合すればいいのでは? 脳内でピ●太郎の「PP●P」が流れだしました。複雑かつ未知のリスクよりもシンプルなリスク。これでいきます。

調整と出力を何度か繰り返し、次の設定に落ち着きました。

 奇数ページ:上17mm/下15mm/左11mm/右18mm

 偶数ページ:上17mm/下15mm/左16mm/右13mm

 複数ページ:標準

これで出力して測ってみたところ、晴れて目標の小口13mmのど18mmになったのです。やったね。ちなみに複数ページを「見開きページ」から「標準」に変更したため、余白の位置の呼び方が内側外側から左右に変わっています。

この作戦で起きうるミスは、縫合時にページ順を間違えることと、奇数用と偶数用とでページの変わり目がずれることでした。前者は便利なツールがあるかもしれませんが、今回は手作業だったので、ひたすら目視で確認しました。後者も何度も目で見てチェックしました。奇数ページと偶数ページとで内側外側の余白の合計が同じなら、ページの変わり目も同じはずですよね。イメージとしては版面が左右にぶれる感じだと思います。急に自信がなくなってきた。ほかに、気づかないまま不発に終わった危険もあったかもしれませんね。運が良かったです。

ページがノンブルどおりに並んでいるか、ページの変わり目できちんと文章がつながっているか、何度も確認してから作業を終えました。白状すると確認中に文章の修正もしたのでPDFを作成しなおしました。

そして印刷所さんから届いた冊子を確認したところ、泥臭いやり方とはいえやってよかったと思える仕上がりでした。とてもいい。前回の冊子より格段にいい。やってよかった。


いかがでしたか?

やっぱりどう見ても力技だし、ページ数(←のどの余白の広さに直結する)や行数行間等々が変わると設定値を見直す必要があるし、ページ数が増えると絶対にしんどくなるやり方です。しかし今回のところはAll's Well That Ends Well ウホね。ゴリラにも失礼です。

次回はもっとクレバーにやりたいです。実を言うとInDesignもとっても興味があるんですが、懐があれでどうなので、またWordのお世話になるんだろうなと思ってます。もInDesign、一度はさわってみたい。一度はあれで本をつくってみたい。

こんなやり方で乗り切ったこともあったなあとか、何言ってんだこいつとか、なんかこう笑える日が来ますように。

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